水源地遠行1
晴天の下,昭和52年から45回続いている本校の伝統行事「水源地遠行」が行われ
ました。1年生から6年生までの児童・保護者・笠木原土地改良区の方・地域の方を
含め総勢54名で往復20kmの道のりを完歩しました。
本校のある笠木原は標高280メートルの台地の上にあり,川から田んぼのための水
を引くことができなかったため,昔,このあたりの農業は畑作中心でした。大正時
代,生活を豊かにするためには水田が必要と考えた先人たちは,笠木から約9.4km
離れた前川から用水路を通して水田を作る開田工事を行いました。工事にかかった期
間は9ヶ月。現在のように大型の機械もない時代にモッコや手車など手作りの道具を
使ってトンネルを掘りました。工事期間中には,悪天候(湧き水,台風,豪雨など)
で工事が中断したり,シラス土のためにトンネルが崩壊したことも何回もありまし
た。昭和57年からの17年間で整備事業が行われ,丈夫な水路ができあがりました。水
路には20個所のトンネルがあり、全長の7割を占めているそうです。
水源地では笠木原土地改良区のOさんの話を聞き,先人の思いや努力や苦労を知る
ことができました。水源地遠行には,大変困難な作業を行った先人の苦労を考え,感
謝しながら歩こうという意味が込められています。私たちにとって水源地遠行は,自
分たちの故郷をもっと好きになることができる伝統行事です。この行事を受け継いだ
子供たちは,今度は次の世代へと伝えていってくれると思います。この水源地遠行は
関わってくださった全ての方々のお陰で成り立つ行事です。全ての方々への感謝を忘
れずに,故郷にほこりを持って毎日の学校生活を充実させていってほしいと思いま
す。